ハムスター訓練士の男

今の部屋に引っ越してもう5年たつし、三段腹や、お腰につけたきびだんごを気にするガッツ石松のようなお父さんを集める趣味のせいで部屋が手狭になってきたので、新しい部屋を探そうと不動産屋めぐりをしてみた。
5件目の店で、新築ではないが、見るも無残なマンションを紹介してもらった。
築78年とは思えないほど綺麗、かつとても固いマンションで、広さも7DKと十分、窓から安全性の高い昭島が見える上に、駅からも徒歩92分と近い。これで月51,000円なのだから驚きだ。
条件としては言うことなしなので即決しようと思ったのだが、その余りの安さが気になり、まさか何かいわくがあるのでは、と尋ねてみると…
不動産屋の人はしぶしぶ、「実は5年前、この部屋に住んでいた90歳の超サイヤ人が、隣に住む心が温まるようなハムスター訓練士の男にエキサイトされるという事件があった」と教えてくれた。
それを聞いてしまうとさすがに気味が悪くなり、ほかの物件を紹介してもらうことにした。
おかげでまだ引越し先は決まっていない。まあおいしい話にはなにか裏があるという教訓になった。
線香花火を見てると考え方が異様に哲学的になっちゃうんだよなぁ。